mae's note

神戸でフリーランスのフロントエンジニアやってます。仕事のこととか、思ったこととか、殴り書きレベルの自分メモ。

都市デザインのお話を聞きにいったけど、問題の本質は変わらなかった話

f:id:kanariia:20161218144937p:plain

普段のお仕事とは直接的に関係ないんですが、個人的にすごく興味があったので、
先週末にこんなお話を聞いてきました。

未来のかけらラボvol.9 トークセッション エリアリノベーションとは何かー「都市計画」でも「まちづくり」でもない新たなエリア形成の手法

場所は KIITOという、
元神戸市立生糸検査所 だった場所をリノベーションされた素敵な施設!


講師は、馬場 正尊(@babamasataka) さんという建築家のお方。
Open Aという建築設計事務所をやってらっしゃるだけではなく、建築とサブカルチャーをつなぐ雑誌『A』編集長だったり、東京R不動産という面白いサイトを制作・運営されてたりします。

www.okamura.co.jp

Open A の由来は、「Open Archtecture」で、
「建築という概念をいかにしてオープンソース化するか」という思いが込められているそうです。
オープンソースってなんだか親近感!

印象に残った言葉のメモ

計画的都市から工作的都市へ

計画的に作られようとした都市の限界を感じていた馬場さんが、
「都市計画」とか「まちづくり」とか小綺麗な言葉ではない、
もっとごちゃついた表現がないかと考えていて腑に落ちた言葉が「工作的都市」だったのだそう。

  • カンプでデザインを完成させるのをやめて、プロトタイプしながら作ってこうよ!ってのと似てる気がする。

移動し続けること、越境を恐れないこと

モデレーターの芹沢高志さんから馬場さんがインスピレーションを受けた言葉。

  • これは自分にも刺さりました。
    変化に柔軟であること、自分の領域を限定しないということはとても大事。「一歩踏み出す勇気」は持ち続けたい。

妄想が次のリアルを引きずっていく

「A」という雑誌の編集長をしている馬場さん。 雑誌では、建築について色々妄想論を展開していたそうですが、 現在になると東京R不動産のように実現した例もたくさんあって、 結果的にそう感じたそうです。

  • 確かに、「こうだったらいいな〜」は、何でもいいから形にすれば乗っかってきてくれる人が現れたり。 まずはアウトプットするところから。

均質ではなく多様な共存

次の時代にどんな風景をイメージできているか? という問いに対して、 郊外では「均質な風景、均質な建物」が多いという話に。 震災後に山形の都市再生のイメージを若者と一緒に考えたらそんな姿じゃなかったと。 近代的なビルが立ち並ぶのではなく、色んな不揃いな建物がや緑が共存する都市だったそうです。

  • それぞれの個性を尊重し合った上で調和している空間や組織、仲間は心地がいい。

スライドメモ

建築の専門知識はないので、なんとなくしか想像はできないのですが、 IT界隈の感じで行くとこんなかんじか、という解釈をしてみる。

一般の方が自分で投稿したYoutubeが大ヒットして、テレビ局がそれが再構成して放送、みたいなそんな流れか。


エンジニアがデザインに口出ししたり、 デザイナーがコード書いたり、 ユーザーがアイデアだしたり、自分の領域を限定するなと。


大企業が、どっかのコンサルに大量のお金を投入して、情報デザインが全然いけてないテンプレートみたいなサイトが出来上がってしまった、な感じ。


これは自分が大企業サラリーマンからフリーランスに転向したので、そんな感じに見えて仕方がないw
多様性を許容できる「個」の集合体はいいなぁ。

感想

元々暮らしをもっと良くするとか、日常の課題を解決するとかそういったことに興味があったので、 「エリアリノベーション」というキーワードに惹かれて参加したのですが、 お話を聞いてみると都市デザインの話にとどまらない、現在起こっている時代の変化や未来はどうあるべきというもっと大きなテーマでした。 自分も抱いていたけどちゃんと言語化できていなかった考えに通じる部分が多く、興味深いお話でした。

違う領域のお話を聞きに行くのもとても面白いです。
今回は都市デザインの話だったけど、対峙している問題の本質は共通していたりするなぁーと。

馬場さんのこの本とか、また読んでみたいなと思います。

エリアリノベーション:変化の構造とローカライズ

エリアリノベーション:変化の構造とローカライズ

余談だけど、 夜のフラワーロード、とてもきれいでした!